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親子の絆 第3話


「ううっ。やっぱり今日は凄く寒いね。
 ……早くお風呂場に入ろ?」

想子はふんわりと暖かなセーターはもちろんその下の薄いTシャツ、
さらにその下に着けてるブラジャーまでも脱ぎ去りった。
容赦なく暖房の無い脱衣所内の外気に晒され両手で体を抱え、震えた。
しかし、もちろんこれで終わりではない。
次に想子は下に履いているジーンズを脱ぎ始める。
ゆったりとジーンズが下ろされるにつれて、想子の下着が目に入っていく。
俺はその想子の脱ぐ動作の一つ一つを横目で見とれつつも、
自分自身の脱衣も続けていた。
ところが、その下着を見て思わず動きを止めてしまった。
見覚えのあるその下着は、夏場に彼女が穿いていたピンクのTバックだったのだから。

思春期の女の子なら、ファッションだのなんだのを気にするのは至極当たり前の事だが、
地味な性格の想子はそんな事を気にする性格であるはずはなかった。
さらに、不登校の現在なら同世代の子と話しを合わせる必要もないので
なおさら気にする必要は無い筈だ。
現に家の中では、一瞥するだけで服装を気にしていないのがわかる格好だった。
しかし、今年の夏に何故か想子は、上はTシャツ、下はTバックの下着姿で
家の中をうろつくように、なったのだ。
想子は俺に、別に和彦さんになら見られてもいいし、暑いからこっちの方がい、
と言っていたが、これでは正直たまらない。
まさか下着に凝るなんて外に男でも出来たのかとも勘ぐったか、
それが理由ならば家の中で穿いて自分に見せ付ける必要がどこにもないと、
すぐに考えを改めた。

しかし、想子のこの姿は俺の目のやり場を奪うものだった。
俺は普段、想子に一緒に風呂に入る事を半ば『強制』されているので、
娘の裸を見慣れてはいるのも確かである。
だが、彼女のその姿を見ると、何故か裸以上に興奮してしまうのだ。
その理由はまったく思いつかず、いいや。
頭からついて離れない答えが思いついてはいたのだが、
それはしかし――――――

想子は容赦なく今年一番の冷気に体を晒されているにもかかわらず、
まったくそれに急かされることなく、むしろ嫌にゆっくりと脱いでいく。
その姿はまるで、ストリッパーが脱衣していく様を思わせるものだった。
しかも脱いでいるのは成熟した年増女ではない。
想子の世間で言うまだ未成熟な、しかし初潮を済ませたばかりの既に女となった14歳の肢体。
それは、むしろ今が旬、真に体が成熟している時期とも言うべきであろう、
雌としてのみずみずしさに満ち溢れているのだ。
こんなものを見せ付けられたのでは、想子に自身の性衝動を隠したいという願望は叶うわけもなく、
あっという間に俺の股間にある”それ”はズボンを破らんがばかりに自己主張を始めた。
そんなこちらの事情を想子は知る由もないのだろう。
一糸まとわぬ裸体を晒しながら容赦なくこちらに声をかける。

「和彦さん、どうしたの?
 手が止まってるけど。
 上はもう脱いじゃったんだし、早く下も脱いでお風呂場に入らないと風引くよ?」

――――――さあ、どうする。
といっても答えなら既に決まっていた。
一緒に風呂に入るのはいつものことであり、”それ”がそそり勃つのも今日程では無いにせよ
いつものことである。
そう、いつも通り落ち着いて『男が風呂に入る時はこういうもの』というハッタリで乗り切ればいい。
想子は一般的な少女よりだいぶ性知識等に欠けている。
――――――たぶん。
なので落ち着いてさえいれば、誤魔化しきれるはずなのだ。
――――――きっと。

実を言えば、俺の頭の中にはもうひとつ選択肢が存在した。。
本当の事を伝える、つまりペニスが勃起するのは男が欲情すると起こる現象なのだと伝え、
想子に欲情しているのだから、一緒に風呂に入るのはやめようと伝えるという方法である。
しかし、俺は出来なかった。
内心、風呂に一緒に入れなくなるのが耐えられなかったのか。
それとも、そう伝えても想子が嫌だと言えば押し切られるのは間違いなかったのだから、
想子に欲情していることを知られたまま、一緒に風呂に入ることが耐えられなかったのか。
どちらが理由だったのか、和彦にはわからなかった。

――――――いくぞ。

覚悟を決め、思い切りズボンとパンツを下ろすと、イチモツが引っかかり限界まで下方に傾く。
そして溜めが作られたイチモツはデコピンの要領で勢いよく跳ね上がった。
その雄々しさは野獣が空に向かって遠吠えを上げるが如し、だ。

――――――やっちまった。

想子に見られてないかが気になり、つい横へ振り向きそうになったが、
目玉が少し回った段階で動きを押し止める。
一瞬見た限りでは想子がこちらを見ていたような気がしたが、気にしてはいけない。
『男が風呂に入る時はこういうもの』なのだ。
そんな慌てた反応をしたらバレてしまう。
硬くたって、大きかったって、雄々しくたって、何も問題は無いのだ。
俺は誤魔化すように、脱衣籠に服を放り込むと、想子に声をかけた。

「さあ、入るか。」
「…………うん。」




――――――お父さん。
すぐにでも、貫けそうだね。


    *      *      *      *      *      *      *


風呂から立ち上る湯気があるとはいえ、閉めているはずの窓の隙間から少しずつ寒風が侵入してくる。
俺はその冷気を避けるように体も洗わずに急いでバスタブに満たされた湯の中に飛び込んだ。

「ふぅーーーー。気持ちいいぃ。」
「和彦さん。私も入るね。」

二人が一緒に入るには狭すぎる風呂に想子も足を入れ、
湯に浸かっていく。
お湯がバスタブから溢れ、心地の良い音色を奏でた。
しかし、俺にはそんな水音を悠長に聞いている余裕はない。
想子はよりにもよって俺に背を向ける形で俺の股間の真上あたり、
そそり立っている俺のイチモツの付近に座り込もうとしているからだ。
このままでは湯の中に浸かろうとしている想子の体に当たりかねない、
いや、そのまま”入りそう”にすら思える。
そのため慌てて俺は両手でそれを押さえつけた。
すると次の瞬間、その両手の上に想子が座り込んだ。
和彦の手の甲は脂肪に覆われた柔らかな尻の弾力にたちまち覆い尽くされる。
さらに、想子は自分の背を傾け和彦に体重を預けようとし、
和彦の体にも想子の肉体の感触が伝わってくるのだ。
この状態に耐え切れるわけもなく、和彦のペニスは彼の両手の中でさらに暴れることになった。
俺はパニックに陥りつつも必死に平静を装う。
しかし想子がこちらを振り向くと、
こっちから見えるその横顔はそんな和彦の様子には気付かないと言わんばかりだ。

「…………和彦さん、すごくあったかいよ。」
「ん、ああ!風呂か?今日は熱い、いや、じゃなくて寒いからな。そう感じ―――」
「違うよ。……そうじゃないの。」

俺の言った事を否定すると想子は窮屈なバスタブの中で俺から離れて、
姿勢を変えこっちに向き直る。
そして俺の顔を見つめ、にっこりと笑う。
すると突然に俺の股間を抑えていた両手を、右手左手と万歳させるように掴み上げた。
その隙に再び姿勢を変え、先程のように背中を俺の胸にぴったりとくっつける。
そのまま両手で俺の両腕を掴みながらゆっくりと体重を落とす。
俺は両腕で想子を抱きかかえさせられる形になった。
いや、それだけではない。
スマタだ。
押さえていた両手の無くなった所に先程と同じように想子が座り込んだものだから、
勃起しきった俺のモノが想子の股間で挟み込まれたのだ。
そしてそのまま想子は両足をもじもじと動かし、擦りあげる。
まるで想子を後ろから犯しているかのような感覚。
あまりの出来事に口から声を出そうとしても、動かなかった。
しかし、俺の動揺は次の想子の注意を引かれる一言で忘れ去られた。

「……あったかいのはね、和彦さんのぬくもり。
 こうして肌を重ねるとね、和彦さんの優しさが入ってくるよ。」

暖かな浴室に想子の声が柔らかに響く。
あなたは優しい人なのだと。
だが、俺はそうは思えない。
この賛辞は俺にとっては負い目を抉るだけのものだ。

「さっき言っただろ?俺は自分のためにやっているだけだ。
 優しい人間なんかじゃない。」

謙遜ではなく卑屈さから出た感情で、容赦なく想子の褒め言葉を否定する。
しかし想子は俺の言葉を、ううんと首を振って柔らかい声で否定し返す。

「だからいいの。……和彦さんのこと優しい人って言ってたけど、やっぱり間違い。
 私、その言葉を和彦さんに言うたびに違和感を感じていたの。
 もっと適切な言い方があるんじゃないかってね。
 和彦さんは普段は穏やかだけど、あんな風に激怒したりする人は
 いわゆる『優しい人』ではないからね。
 …………『優しい人』で親としても合格なのはきっとお母さんだと思う。
 私に優しかったかし、それに――――――――――――
 あの人は、私を虐げるような人間に対してだって、ね、優しかった。」

想子はここで俺の腕をさらに強く握り締めた。。

「私がいくら『不公平』になろうが、お母さんは『公平』な対応で済ませるの。
 お母さんにとってはね。私がどうなろうと他人事に過ぎないの。
 ―――でも、和彦さんは違うよ。
 あの事件の時から今までずっとそう。
 私に『不公平』を強いる人間には徹底的に『不公平』に対応してくれた。
 和彦さんはいつも自分の事だと思って誰よりも私の立場に立って私に真剣に接してくれたの。
 …………私にだけ優しい人。
 …………私を大切にしてくれる人。
 和彦さんだけだからね?そんな人は。
 ずっと嬉しかったよ。
 和彦さんは、実の娘の殺害だって企むような人間だけど
 そこが私を大切にしてくれる理由でしょ?」
「……………………そうか、ありがとう。」

図星だったのだろうか。
先程よりも少し俺の心が軽くなった。
この想子の行動に後押しされたのか、
俺も勇気を出して想子に少し自分の今の気持ちを伝える決意をした。

「じゃあ、俺も少し話してみるか。
 俺、実は玉海のこと引き取れないかって最近思ってたんだ。」
「どういうこと?」

想子の声から先程の柔らかさが消えた。しかし俺は構わず話を続ける。

「さっき、泰子から電話で話をしたって言っただろ?
 その時に聞いたんだ。
 もう2歳になるっていうのに、発育が遅いんらしい。
 言葉もまだ喋れないらしいし、それについこの間まで立つことも出来ず、
 今月に入ってからやっとよちよち歩きが出来るようになったらしい。」
「和彦さん、それって遅いの?」
「普通、1歳になる頃には出来るはずだ。明海もそのくらいだったし。
 で、明海が家の中で喚き散らしたり、暴れたりしてるせいじゃないかって
 言ってた。
 明海が問題を起こすせいで、構ってあげられる時間が減っているとも言ってたしな。
 だったら、うちで引き取れば少なくとも悪い影響は無くせるかもしれない。
 今から考えれば泰子が離婚の際に、俺が想子を引き取るのを邪魔しなかったのも、
 想子に裏切られたと感じていただけじゃなく、恐らく明海が想子を虐待するのを
 防ぎたかったというのも多少はあったんじゃないかと思う。
 はっきり言って、俺の家系の遺伝子を持っているんだからロクな人間になるとは思えないが、
 それでも、可能性がないと断言する気にもなれない以上、な。」

やっときりのいい所まで話し終えた所で、ある事に気付いた。
不穏な空気とともにふるふると俺に伝わってくる想子の小刻みな震え。
後ろの俺からは想子の表情は確認出来なかったが、
しかしこの雰囲気から彼女が今の話を聞いて怒ってしまったのではと思い、
勘違いしないよう、すぐに話を再開する。

「――――――ああ、悪い。そうじゃないんだ。
 もちろんそんなことしたりしない。
 そんなことしたら想子に世話させることになるし、
 クズに育って想子に迷惑を掛けたら、それこそ目も当てられない結果だ。
 それに泰子がいる以上クズに育っても、さっき言った通り『家出したまま行方不明』とか
 『よく起こる事故死』になってもらうことも難しいしな。
 これ以上想子に負担を掛けるわけにはいかない。」

俺が再び話しを続けると、想子から感じられた嫌な気配が徐々に消え去っていく。
そして最後に俺は一番重要なことを伝えた。

「俺は想子さえ育てられれば充分だ。」

和彦がこの事を伝えると、想子から感じられた不穏な気配は消え去り、
礼の言葉をかけられた。

「…………和彦さん、ありがとう。
 でもね、えっと、和彦さん。
 私ね、物凄く不満な事があるの。」
「なんだ?」

俺は想子が怒ってないことにひとまず安堵するが、
しかし新たに伝えられた事に、再び不安を覚えた。

「もう、いつも言ってることだよ。
 ――――――躾。
 ……私を躾けてっていってるでしょ。
 ……和彦さんは私をちゃんと躾てない。」
「躾?いや、躾って、特に問題がないのに躾ろと言われてもな。」
「ううん。しなくちゃいけない躾はあるよ。
 さっき和彦さんは真剣に私に接してくれたって言ったけど、
 えっと……やっぱりまだ足りないよ。
 …………今までの和彦さんはね、『誰よりも真剣に想っている』っていう感じかな。
 そうじゃなくてね…………?
 私はね、『狂おしく真剣に想ってる』って所まで踏み込んだ躾をして欲しいの…………。」
「……………………?
 で、その躾ってのは具体的に何なんだ?」
「…………言いたくない。」
「言いたくない?――――――おい。言ってもらわなきゃわからんぞ。」
「…………私の口から教えても、その躾の真似なら出来るよ。
 けどね、それじゃあ本当にその躾はすること出来ないの。
 だから和彦さんの意志でやらなくちゃいけないものなの。
 …………本当はね。」

先程のプレゼントの件と同じである。
再び想子から発せられる謎賭けに俺は首をかしげた。

「だけど、それは無理みたいだね。
 だからこの後でね、プレゼントを渡すときに答えを和彦さんに教えてあげる。
 私はその躾の真似で我慢するから――――――ちゃんと頑張ってね。」

そう言うと、想子は立ち上がり風呂から上がっていく。
話すことに集中していて忘れていたが、想子が離れ、ペニスに伝わる感触が消えたお陰で、
自分がスマタされていた状況を思い出し、
再びペニスが想子の肉の感触を求めんと、立ち上がってしまう。
その事に気付いて、再び恥ずかしさのあまり居たたまれなくなってしまった。
しかし、想子はそんな事は知らないとばかりに笑顔のまま表情を崩さない。

「えっとね、和彦さんもそろそろ…………んーと、5分以内にはお風呂から上がってね。
 今、9時ちょうどぐらいだけど、
 10時ちょうど、一分の誤差も無く和彦さんの部屋にプレゼント渡しに行くから、
 それまで部屋の中で何かしながら待ってて。」

想子は風呂場から出ようとしたが、
風呂のドアを開けた瞬間、そこで立ち止まる。
今の想子は脱衣所と風呂場の中の温度差で凍りつくような寒さを感じているはずなのだから、
誰しも一刻も早く体を拭こうとするのが自然のはずである。
だが当の想子は急いで体を拭こうともせず
ただ、和彦にポツリとこう漏らした。

「あの時の約束通り。
 …………ちゃんとね、私を和彦さんの望む娘に育ててね。」

和彦の目の前でドアが閉められる。
風呂場の中に、ただポツンと和彦ひとりが残された。


    *      *      *      *      *      *      *


防音室の中に声がこだまする。
この防音室は、俺がこの家を買った時からあったものだ。
前の持ち主がカラオケとかをやる為のものだったらしい。
だが、今この部屋の中に響く声はそう言った歌声ではなく
かつてこの部屋で明海が腕を折られたときのような――――――
絶叫と悲鳴だった。

「嫌あああぁぁぁぁl!!」

ここは普段中々使わない部屋だった。
それでも想子は日々の掃除は怠っていなかったので、
部屋の中はきちんと整理されていたはずである。
しかし今は以前とまったく違う、異様な光景が広がっていた。
ソファーの位置はずれ、花瓶は砕け中の水が床に広がっている。
例えるならば――――――強姦魔に押し入られた家というのが適切だろう。

「痛い痛い痛いぃ!!!!もうやめてぇぇぇ!!!!」
「暴れるな!…………一番奥まで入ったぞ。処女卒業だな。

そして何より普段と違うのが部屋の中央の本来低いテーブルがあった場所に
敷かれていた布団である。
その布団の上で組み合う2組の男女がいる。
下で組み伏せられているのは想子。そして、上になっているもう一人は――――――。

「和彦さん……ヒッ、ヒック……もう許して…………!」

そう、俺が想子を犯しているのだ。
激痛に追い立てられているためだろう。
無駄な徒労でありながら、想子は足をじたばたと動かし続け抵抗しようとする。
その姿はまるで水に落ちた昆虫が必死にもがき、羽で水面を叩き続けるようだ。
しかし俺はそんな必死の抵抗を容赦なく体重で押し潰し、ピストンを続ける。
まるで盛りのついた獣のようだった。、
俺はしばらく想子の必死の哀願も聞かず容赦ないピストンを行い続ける。
そして想子のつい先程まで処女だったその膣穴を貪るのに疲れてしまい、
ペニスを最奥まで挿し込んだまま想子にのしかかり一息ついた。
しかし、だらしない表情で快楽を堪能する俺とはうってかわって、
下にいる、想子はすすり泣きを続けている。

「痛いよぉ…………。お願い、抜いて…………。」
「駄目だ……!想子、お前の、処女マンコなっ、凄く気持ちいいぞ…………!!
 お前は俺の娘……。俺のモノなんだ!」
「私がっ……和彦さんが好きなのは、娘としてだよっ…………!
 女として好きなわけじゃない…………!!
 昨日…………和彦さんが『愛してる、抱かせてくれ』って告白した時、
 私、断った、でしょ…………!?
 それなのに…………ひどいよぉ…………!
 好きな男の人が出来たら、初めてをあげるつもりだったのに…………。」

この台詞を聞き、再び形容しがたい激情に火がついた。
沸きあがった感情をぶつける様に猛烈に腰を打ちつけ、
彼女の小さな性器を無理矢理抉り出す。

「ぎぃ…………やああっ!いたっ おねがっ……お願い、やめてえぇ!」
「他の男になんかお前をやるかっ……!
 誰にも渡さないぞ!」

想子は俺の下で必死の抵抗を続ける。
しかし、こちらは大人の男だ。
想子の力でどうやってもかなうわけも無いという彼女にとって冷徹な事実と、
彼女の体力がいつまでも続くわけが無いという肉体的な疲労から、
どんどん時間が経つにつれ想子の抵抗はか細いものに変わっていった。

「ひっ…………うえ……ひ、っく……あ……ああ…………いた……やめて……」

俺もそろそろラストスパートだ。
息も切れかかっているが、息苦しさを無視し、今まで同様に腰を打ちつけ続ける。

「想子っ……!中に出してやるぞ!お前を汚してやる!
 俺の精液を中出しして、孕ませてやるっ!」
「え……………………あ、あああああ!や、やめて!嫌!出さないで!」

俺の発言を聞いて、意識が再び引き戻されたのか、必死に暴れ始める想子。
だが、俺は意に介さない。

「子供を産ませてやる!お前の未来を全部俺が汚してやる!
 おっ、おお!イクッ!!!」
「ヤ、ヤメテェェェェーーーーーーーーッ!!!!!」

俺は全ての精液をぶちまけた。


    *      *      *      *      *      *      *      *


びゅくびゅくと俺の精液が降りかかる。
想子の笑顔が写っている写真に。
そして想子の写真に、想子の笑顔に、
まるででんぷん糊のような精子を性器を使って丹念に引き伸ばす。
実際に想子の顔を精液まみれに汚すように。


9時45分。
想子が来るまで残り15分。
もっと長い時間楽しみたかったが、
時間も近いのでそろそろやめておくのには丁度いい時間だった。
彼は目前にある想子の写真を見ながら、俺はため息をついた。

そう。
俺は椅子に座りながら下半身を露出し、想子の写真でオナニーをしていたのだ。
俺がこんなことをするのは、今日が初めてではない。
もう既に毎日の習慣になっている。
俺はいつの頃からか想子に欲情し、
そして妄想の中で、ありとあらゆる方法で犯すようになっていた。
思い当たるきっかけは、想子に初めて笑いかけてもらった時だろうか。
あの日以来泰子と明海との信頼を失い、代わりに想子の信頼を得た。
その全幅の信頼は海より深く山より高いものだった。
想子は家の中で用事がない時はいつも俺の傍に居て甘えようとし、
その行動、態度は今まで関わったどんな人間よりも俺の事を肯定してくれた。
泰子と明海を失った俺に想子のその態度はかけがえのない支えとなり、
気がつけば想子に嵌っていた。

それでも1年程前までは今ほど大きいものではなかった。
だが、ここ1年くらいで想子は成長し────────
そしてつい半年前、それは起きた。


    *      *      *      *      *      *      *      *


あの日も今日のように、家に帰り自室でくつろいでいると
想子がやって来て今日はご馳走を作ったと言った。
俺は期待に胸を膨らませ夕食を台所に向かうと、
テーブルの上に茶碗が一膳だけ置かれていた。
その中を覗くと入っていたのは食欲をそそるとは言いがたい匂いを放つ赤い御飯だった。
想子はこの赤い御飯を自分の目の前で食べて欲しいという。
一口箸をつけてみるが味は血液のようでそれとも違い、はっきり言って不味かった。
俺は疑問にかられ、これがご馳走なのかと尋ねた。
すると、想子はもじもじと恥ずかしそうに言う。

「……うん。そ、それはね。もう一生手に入らない貴重な材料を使っているの。
 和彦さんには、うん。何よりのご馳走のはずだよ。
 だから、ちゃんと味わって食べて…………下さい。
 それはね、お赤飯………………なの。」

その言葉に、目を丸くした。
赤飯?
確かに『赤い飯』という意味では合ってはいたが、
小豆は入ってないし、生臭いし、どう見ても違う料理である。
その疑問を口に出してぶつけようとした時、
想子は顔を真っ赤にしてもじもじとしながらゆっくり話し出した。

「実はね、そのお赤飯…………お、お祝いだからね……作ったの。
 えっと……あの…………初潮が来た、の。」

カチャン、と
手から箸が落ちた。

────────女。
目の前にいるのは子を産める体になった、女。

心臓が激しく脈打ち、大量の血液が性器の海綿体に充填される。
目の前の想子を見ていると、どんどん全身が熱くなる。
恥ずかしいけど、だが目を離せない。
その未成熟な体に手を伸ばしたい。

俺と想子は互いにそわそわしながら、声をかけることも出来ない。
結局、食べさせられたあの赤飯のようなものの材料を聞き出すことすら無理だった。


    *      *      *      *      *      *      *      *


この時以来、俺は想子を単に守るべきものとしてだけではなく、
明確に女として見るようになった。
それを抑えようと、少しではあるが想子を避けるようになり
今日この日まで徐々に関係がぎこちないものに変わりつつあった。
手に入らないのなら、関わりたくないというわけだ。
だが、想子を守りたいという想いも確かなもので、
他の誰にも任せられない以上、放り出すことは絶対に出来なかった。
関わりたくない、守りたい、という想子への二律相反する感情が
俺を責め、苛む。

別な性欲の捌け口があれば、もっと意識しなくて済むのだろうが、
他の捌け口を使うことが出来ない。
想子が俺の部屋でそういった目的に使用するものを見つけると、
癇癪を起こしてしまうというのも理由のひとつではある。
しかし、何よりの理由は罪悪感のようなものを感じるのだ。
妄想の中で想子を犯す分には特に罪悪感を覚えないが、
他の女で処理しようとすると途端に気が重くなってしまう。
考えたくは無いのだが、きっと俺は想子のことを諦めきれずに操を立てているのだと思う。
手に入れるわけにはいかないとわかっていながらだ。
しかし、想子の写真を使ってオナニーするのは精神的につらい方法だ。
別に想子に対して妄想の中で汚しているという罪悪感を感じているわけではない。
実際に想子に危害を加えるわけではないのだから。
もちろんオナニーをしている所を目撃されればまずいが、
ドアには鍵がかけられる上、この家は足音がよく響くので、
仮に鍵をかけずともパンツをあげて写真を隠す時間くらいは充分あるので問題ない。
ただ、事が終わり現実に引き戻された時に、
想子が手に入らないものだと実感してしまい、その喪失感に襲われてしまうからだ。

ちなみに想子の写真は他にもまだ沢山あるが、これらは想子がデジカメで自身を撮影して
俺の部屋のPCに繋いであるプリンターで印刷したものだ。
想子は自分の成長記録を和彦さんに見て欲しいと言っていたが、
これにはあられもない下着姿も含まれていて、卑猥な写真集さながらだ。
この事を考えると、俺の脳裏に疑問が浮かんだ。

何故、想子はこんなに自分の写真を渡すんだ。
その中にはきわどい下着姿の写真も大量に含まれている。
これに限らん。
日頃から想子の行動はどう考えても育ててくれる人間への愛情とかそんなレベルを超えている。
俺に対して女を意識させるような格好をしたり、
考えてみれば、想子が癇癪を起こすのは俺が他の女に興味を持っている時だし、
どう考えても俺を男として見ているようにしか見えない。
となると、さっきは酒が回りすぎていてわからなかったが、
これから届けるプレゼントってもしかして────────

ここまで考えたとき、まずいことに気が付いた。
すぐに頭を振って、この考えを振り払う。

いけない。
何を考えているんだ。
いいか。
俺は今のように毎日、想子を好きなように犯しているんだ。
俺の女なんだ。
だから────────
現実でも想子は俺の事を愛しているとかそんな考えは捨てろ。
これで、いいんだ。

尿道に残った精子の最後の塊を写真に出した。
俺は無力感に苛まれながら、自身の性器を露出した状態のまま
ただ精子まみれの想子の写真をじっと見つめ続けた。




「気持ちいい?……『お父さん』。」



声がした。

妄想ではない。

後ろから聞こえたのは、聞きなれた控えめな声。

その声に驚き振り返ると

閉めたはずのドアが開いていて、

まだ来るはずのないあいつがこちらを見つめていた。





「な……!?そ、そ、」





────誰だ
────いや誰ってこの家に他に誰が居る
────でも、あいつは俺をお父さんって呼ばないはずじゃ
────いや間違いないあいつだ
────どうして今そこにいるんだ

接近してくる前に足音に気がつけるはずなのに、
気が付いたら、既に扉が開かれていたこと。
そして聞こえた声。
なによりそこに立っていた、まだ来るには早すぎる人物。
これらの事実により、俺はたちまちパニックに陥った。
頭の中に様々な考えが駆け巡り続ける。

「私ね?嬉しいよ。…………私を性欲の対象として扱ってくれるなんてね。」

──み、みられた?
──オナニーしていたこと
──いや、前から知っていた?
──なんで?
──まだ10時までには15分あるはず
──どうしてこんなに早く
──それよりなんで裸
──下着すら着てない
──いや俺も下半身露出してるけど

「でもね、オナニーなんかでお父さんの
 可愛いおたまじゃくしの詰まった精子を無駄にしちゃ駄目だよ。
 私、すごく不満なんだよ。」

そう言うと彼女は呆然とする俺の目の前に来て、
俺から精子の塗りたくられた写真をひったくり、
口を開き舌を出す。
そして見せ付けるように、表面にあるプルッとした精子の塊を
ベロリとゆっくりと舐めあげた。

「んっ…………出したてだと濃いね、味。
 そういえばお父さん。
 私の写真を使ってオナニーするならまだしも、
 さっきなんかTVに映ってたあんな女を一生懸命見つめたりしてたよね。
 …………私が目の前にいたのに、あんな淫売でお父さんのこと
 ちっとも理解っていないような女に浮気するなんてどういうこと。」

──う、浮気って、じゃなくて。
──な、舐めた。
──なんで俺の精子を舐め取って

「やっぱり私から積極的に行かなきゃ駄目みたいだね。
 今からね、お父さんに約束のプレゼント渡すね。
 後さっきの答え、教えてあげる。」

──さっきの答え、そしてプレゼント。
──それって、ま、まさか。

「私がお父さんにして欲しかった躾はね────────」



「性的虐待(レイプ)だよ。」